東京外大2016 論述
8 戦前からこの時期に至る近代の女性解放運動の動向を踏まえ、本文中で述べられている女性参政権の実現に至る過程について、400字以内で説明しなさい。 その際、以下の語句を必ず使用し、用いた箇所すべてに下線を引きなさい。
雑誌『青鞜』 新婦人協会 赤瀾会 普通選挙法 女性代議士
【解答 】
女性解放運動は、1911年に平塚らいてうらにより設立された文学団体青鞜社が雑誌「青鞜」を発行し、本格的に始まった。1920年には市川房枝らが新婦人協会を結成し、参政権の要求など女性の地位を高める運動を展開した。その結果女性の政治運動を禁じた治安警察法第5条の一部が改正され、1922年に女性による政治集会への参加が許可された。この間、山川菊栄・伊藤野枝は赤瀾会を結成し、社会主義の立場から女性運動を進めた。1924年には普選断行などを掲げて第二次護憲運動が高揚し、翌年には普通選挙法が成立したが、この時に女性参政権は与えられなかった。第二次世界大戦後、マッカーサーから幣原首相に対し、女性参政権の付与を盛り込んだ五大改革指令が示され、1945年12月には衆議院議員選挙法が大幅に改正されて、女性参政権を認めた新選挙法が制定された。翌年に満20歳以上の男女を選挙人とする戦後初の総選挙が実施され、39名の女性代議士が誕生した。
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